2017年03月29日

0系の食堂車を見てみよう

先日公開した0系新幹線先頭車の次位には、食堂車が連結されています。
今となっては食堂車のある新幹線車両は存在しませんから、当時の雰囲気をよく残す貴重な資料として、写真を撮影させてもらいました。

まずはこれ。

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食堂車のピクトグラムとともに、席の状況を表すランプが装備されています。
また、木目調の壁紙が高級感と特別感を演出していますね。
ここでは「ただいま満席です」のランプが点灯していますが、これって利用客の状態をどうやって把握して表示しているんだろう?
と思っていましたが、どうやら従業員が車内の様子を見てスイッチを入れたり切ったりしているようですね。
アナログだ…。けど、当時は席の状況をコンピューターで把握するシステムなどは存在しないでしょうし、まぁそんなもんですかね。

さてさて、食堂車の車内に入ってみます。

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テーブルの色合いや間接照明を併用した室内灯が、これまた特別感を演出しています。
カーテンも悪くないですね。食事の様子を駅停車中に見られないように…ということもありますし、夜間になってから閉めると、まるで列車の中にいるということを忘れてしまいそう。こうした繊細な心遣いも嬉しいですね。
ところで、私がまだ子供だった頃、何度か0系に乗る機会があったのですが、食堂車はいつも満席。
多分、自由席にあぶれた乗客がコーヒー1杯で粘っているせいなんだと、子供心でも分かりました。|д゚)
一度でいいから、走る新幹線の食堂車で食事をしてみたかったのですが…それも今となってはもう叶わない夢です。
東北新幹線のグランクラスでいただく食事も悪くないのでしょうけど、食堂車のそれとはなにか違うんですよねぇ。
やっぱり食堂車には、座席での食事とはまた何か違った…ロマンに近いものがあるんですよね。私の中では。

さて、厨房の様子も見てみましょう。

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銀色に統一され、至極実用本位な感がありますね。
狭い車内での調理には、それなりのご苦労があったこともうかがえます。
ましてや調理担当なんて1人じゃないでしょうし、すれ違うことすら大変な狭い厨房で、よく長時間の業務ができたものだと感心してしまいます。
よく見てみると、流し台がいくつかあって、その向かいにはコンロのようなものがあるようです。
火を使って調理するなんて、昨今の鉄道事情を鑑みると、ちょっと考えられないですね。(一部例外もありますが)
せいぜい調理済みのものをレンチンする程度かと思っていましたが…0系登場当時は、電子レンジはまだそれほど普及していなかったのでしょうか。
食堂車を簡略化したビュッフェも後に登場しますが、そこでは温かい食べ物はレンチンですからね…。
それでも食事を供用してくれる存在はありがたかったのですが、これも新幹線からは姿を消して久しいですね。
高速化により乗車時間が短くなったのと、需要自体が少なくなったせいなのでしょうけど、食事という人間に欠かせないものにまでコストカットや省略してしまうのはどうなのかな?と思ってしまいます。

さて、これまでリニア・鉄道館について公開してきましたけど、この日は他に行きたいところがあったので、ここでの滞在時間は1時間半程度に抑えてまたあおなみ線で名古屋に戻ります。
それからどうしたか…。それはまた次回の更新で。|д゚)

撮影データ:
2012年3月 リニア・鉄道館
Canon EOS 7D + EF24-105mm/F4L IS USM
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2017年03月28日

300系を降りた後は…

名古屋駅で300系新幹線から下車し、何とも感慨深い気持ちで列車を見送った後、あおなみ線に乗り換えて金城ふ頭まで行きます。
あおなみ線の金城ふ頭という点で、すでにピンと来ている方も少なくないと思いますが…私の向かった先はここです。

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2011年にオープンしたばかりの、JR東海の鉄道博物館「リニア・鉄道館」です。
ここを訪れた時点では、オープンからまだ1年くらいしか経っていないせいか、どこを見ても非常にきれいなのが印象的でした。もちろん、日々の清掃や手入れが行き届いているおかげもあるのでしょうけど。
ちなみに、私がここを訪れたのはこの時が初めて。どんな車両の展示が待っているのか、ワクワクしながら入場します。

「リニア・鉄道館」という名称ですから、もちろんリニアモーターカーの展示へ真っ先に進みます。
私自身、営業運転を行っているリニアモーターカーには何度か(愛知県のリニモと中国上海の空港アクセス)乗車していたのですが、ここに展示されているのはそれらとはほぼ別物です。
全体的に照明が薄暗く、手持ちで撮影するのはちょっと難しかったのですが、その中から比較的まともに撮影できたものを公開してみますね。

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形状が非常に特徴的な、超電導リニア「MLX01−1」です。
2003年に、鉄道としては世界最速の581km/hをマークした車両(今まさにここに展示している車両そのもの)で、1995年に製造されたという点や、車体重量が30トンしかないというあたりに驚きを隠せません。
もちろん、試験走行の結果から試行錯誤を重ねて、様々な面で改良を施されたのでしょうけど、90年代にはすでにここまで進んだ技術が日本に存在したという点は、全世界に向けて誇れるものであり、ハナタカとも言ってよいでしょう。
中央リニアの着工はすでに始まっており、非常に現実味を帯びた話になっていますが、そこにいったいどのような車両が走るのか、まだ定かではありません。恐らくこの車両をベースに開発が進んでいるものと思われますが…。
開業の暁には、東京〜名古屋間が約40分で結ばれるそうですが、実現すれば名古屋に住んでいても東京は十分通勤圏内になりますね。
運賃と特急券の値段がどうなるか。まだそこまで決まってはいないようですが、現行の東海道新幹線「のぞみ」と同等か、数千円程度のプラスであれば、断然リニアを使いたくなりますね。
しかしそうなると、東海道新幹線の立場が完全に日陰者になってしまいますから、現実的にはもっと差額が付くのかもしれません。

さて、リニアを見たら次なる主役、新幹線車両を見てみます。

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お馴染み、0系新幹線です。
近年お目見えした車両はどれもシャープなイメージが強いですが、これについてはちょっと丸っこくて愛嬌がありますね。
車番は21−86で、1971年12月より運行が開始された12次車の先頭車両。
前面窓には編成番号が見てとれます。「K17」だそうですが、本来この車両は12両編成の「S46」として、その後16両編成に再編された時には「K46」として、また再び12両化が図られた時には「S88」となって、1991年の引退まで生涯「こだま」として活躍しました。
となると、この「K17」は?
…と思いましたが、この車両に関しては「汽車会社製造の17番編成」という意味を持っており、本来の「K17」編成は21−74と22−74が先頭車になっていました。
リニア・鉄道館に収蔵するにあたって往時の姿に復元されたそうですが、編成番号を「K17」とした意図は不明です。

…これらの写真は2階の通路から俯瞰で撮ったもので、薄暗い中、いかにしてみるに堪える写真を撮ろうかと悩みました。
色々いじくっていたら、カメラの水平の目安となる「水準器」をどこかに落としたのでしょうか、なくしてしまいました。
ガッカリしましたが、そのおかげでカメラ内蔵の電子水準器の存在を知り、以後活用するようになります。
なくしたことは残念でしたが、まぁこれも神の思し召しかな、と勝手に納得しています。|д゚)

あれから5年も経っていますから、さすがに落し物の届けがあってもすでに処分されているでしょうし、もし拾った人が使っているのなら、それはそれでいいかな…なんて。

撮影データ:
2012年3月 リニア・鉄道館
Canon EOS 7D + EF24-105mm/F4L IS USM
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2016年08月12日

レール輸送用の気動車

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短い夏休みの間に、未乗の飯田線を走破しよう!と思いたって出かけたときのこと。
この時はまだ「佐久間レールパーク」が中部天竜駅に併設されており、その珍しい保存・展示車両群に目を見張っていたところ、本線の方からディーゼルのエンジン音が近づいてきたことに気づきました。
飯田線は電化されているから電車しか来ないと思っていたのに、いったい何がやってきたのだろう?
…と駅へ向かってみたら、こやつが停まっていました。

JR東海の新型貨物用気動車、キヤ97系のR2編成です。
写真からもうかがえますが、よく見ると積荷はレールでした。
…っていうか、そもそもこの形式は、これまでJR東海管区内で機関車にチキを牽引させてレール輸送を担っていた車両達が老朽化していたことと、機関車の機回しなどの煩雑な作業の省力化を狙って製造されたものなので、積荷に関して言えばこの車両本来の使い方なんですね。|д゚)

JR東海には、この形式が5編成(R1〜R4、R101編成)存在します。
写真のR2編成を含むR1〜R4の編成は、25メートルの定尺レールを運ぶための2両編成の列車。
ロングレールを輸送する、いわゆるロンチキ運用の代わりをする13両編成のR101編成については、同形式でありながら他の編成とは形状などに大きな違いがあります。
その用途から、R101編成はロンチキならぬ「ロンキヤ」と呼ばれています。
ちなみに、このロンキヤの中に組み込まれている「キサヤ」という形式は、現時点ではJR東海にしか存在しないそうです。
ちょっと意外でした…。

形状と言えば、この車両には特筆すべき点が。
前面はJR東海の検測車両であるキヤ95系(ドクター東海)とほぼ同じ形状ですが、まるでそれから運転室部分だけを切り取り、あとのスペースはすべて貨物用に仕立てたような、珍奇であるとともにある意味潔い造りになっています。
先頭部分だけ見ると、鉄道系の博物館によくある運転シミュレーターのようでもありますね。
塗装について見てみると、前面はキヤ95系と同様に一面黄色の警戒色をまとっていますが、側面は銀色ボディーに濃淡の青い帯が入っています。
こういう側面の色使いの列車、旅客列車としてどこかで見た記憶があるのですが、どこだったかな…と。

本格的に気動車を貨物専用に仕立てた車両は全国的に見ても他に例がなく、この形式が一番手だそうですが、これに見習い今後は他社からも似た造りの車両が出てくるかもしれませんね。
「貨物電車」が存在する世の中ですし、レール輸送以外の用途として「貨物気動車」がどこかに突然ポンと現れても、何もおかしくはないでしょう。
一説によると、JR東海は機関車の運行をできるだけなくしたい方向で動いているとのことなので、出てくるとなればやはり東海エリアになるのかなー、と想像しています。

撮影データ:
2008年8月 JR飯田線 中部天竜
Canon EOS KissDigital X + EF-S18-55mm/F3.5-5.6 IS
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2016年07月08日

検修庫を臨む

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今月に入ってから浜松工場の様子を記事にしてきましたが、どれも車両中心の写真ばかりでしたね。
なので、今回は検修庫の様子を引きで撮影した写真を記事にしてみたいと思います。

電車工場には何度か足を運んだ経験がありますが、どこも「広い敷地を持っているなぁー」というイメージがあります。
しかし、新幹線の車両工場はそれらの中でも群を抜いて広大!
在来線の電車より一回り大きい車体を扱っているせいもあるのかも知れませんが、新幹線ならではの特殊な装置を整備点検するために大掛かりな設備や機器が必要であることと、16両のフル編成を何本も組成するためには必然的に広い敷地が必要になるためではないかと推測します。
ちなみにここ浜松工場の建屋の総面積は、およそ318000平方メートルだそうで。
よく広さを比較するために上がる「東京ドーム○個分」でいうと、果たしてどれくらいになるのでしょうね。

ご覧のとおり、1つの建屋内でも大きな新幹線の車体が遠くに小さく見えるほどです。
それゆえ、一般公開でも見学のための移動距離が非常に長く、夏の暑さも手伝って在来線の工場見学の倍近く体力を使ってしまうような気がします。
…その分、お楽しみも多くて大変よろしいのですが。|д゚)

ところで、この建屋ではどのような整備が行っているのでしょうか。
列車からは台車が外されていて、手前には仮台車が置かれているのが確認できるので、もしかしたら足回り関係でしょうか?
大体はあたりに置かれている部品や装置などから推測できるのですが、この日は一般公開の日だったせいか、それとも普段からこんな様子なのかは分かりませんが、本当にきれいに整頓されていて、部品など余計なものはほとんど見受けられませんでした。
行程ライン番号と思われる「3−6」という数字から、何かしら分かることがあるのかも知れませんが、残念ながらこの写真からは読み取ることはできませんでした。

ちなみに、写真の列車は700系。
最新型車両であるN700系は、デビューから丸1年しか経っていなかったせいもあり、ほとんどの展示車両はこの700系でした。
今となっては後継車両に追いやられて数を減らしている形式ですから、古い写真がゆえにいい記録になったのかも知れません。

毎年この時期になると再訪したいと思っている浜松工場ですが、なかなか事情が許してくれません。
この時に使っていたカメラもレンズも(もしかしたら撮影技術も)グレードアップしているので、今の機材を使って撮りたいものがたくさんあるのですが…今年も訪問することできなさそうです。
700系が引退する前には何とか、と思っていますが、そのためのチャンスは来年の公開まで。
あとで悔いの残らないように、来年こそはあらかじめ早い段階からしっかり前準備をして、訪問したいと思っています。

撮影データ:
2008年7月 JR東海 浜松工場
Canon EOS KissDigital X + EF-S18-55mm/F3.5-5.6 IS
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2016年07月06日

700系、検査中

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編成からバラされて、1両ごとに整備点検を行っている最中の700系。
台車を取り外され、クレーンとジャッキによって車体が支えられている様子がお分かりいただけると思います。

新幹線車両において、台車を取り外して行う検査には「台車検査」と「全般検査」があります。
走行距離が60万km、もしくは前回の検査から1年半以内に行われる中規模な検査が台車検査。
一方、全般検査は走行距離120万km、もしくは前回の検査から3年以内に行われる検査で、すべての部品を取り外してその1つ1つを精密に検査する大掛かりなものになります。
写真の車両は、台車以外の部品をバラしている様子は見受けられないので、恐らく台車検査の最中かと思われます。
もしかしたら、これから本格的にバラすのかも知れませんが…。|д゚)

ところで、新幹線車両の妻面は通常、全体を頑丈な幌によって隠されているので、こういった機会でもないと見ることができないと思いますが…こんな造りになっていたのですね。
車体上部右側から伸びている、揺れを軽減するための装置であるダンパの様子が見て取れます。
そしてその付近に貼られている、赤字で書かれた「特高圧危険」のステッカーがものものしいです。
それもそのはず、新幹線の架線に流れている電気は、交流25000ボルト。
多くの在来線(直流区間)で使用されているのが1500ボルトで、一般家庭向きのコンセントが交流100ボルトですから、どれだけ強い電気が流れているのかがお分かりいただけると思います。
これだけの強さですから、直接架線に触れなくても、近づいただけで感電の危険があります。
そして感電したら最後。人体などあっという間に消し炭になってしまいます。
最近、先っぽにスマホなどを取り付けて撮影するための「自撮り棒」が流行っていますが、新幹線のホームでこれを使うのがどれだけ危険な行為なのか、もっと広く認知させないといけませんね。

話を戻しましょう。
よく妻面の記載を見てみると「幹オサ」との表記がありますが、これは「大阪交番検査車両所」を表しています。
大阪府内にありながらJR東海に属し、新幹線車両が配置されている「鳥飼車両基地」の一部で、その名の通り軽めの「交番検査」を行う車両所となっています。
鳥飼車両基地は、京都〜新大阪間を走行中の新幹線の車窓から見ることができるので「あー、あの新幹線がいっぱい置いてあるところね」と、見覚えのある方も多いのではないでしょうか。

また、形式は「723」となっています。
これは博多方の先頭車(1号車)で、普通席の客室を持つ制御付随車を意味します。在来線の表記にすると「クハ」に相当しますかね。
ロングノーズの先頭形状と乗務員室、トイレや洗面所が装備されている車両なので、定員数は65名と少なめ。
それゆえ客室の長さも短くなっているため、若干窮屈さを感じる方もいるかも知れませんね。
ただ、モーターが装備されていない付随車のため、床下からVVVFインバーターの音が発せられない分静粛性が高く…と、ここまで考えて席を取る人もあまりいないか。|д゚)
700系には、先頭車とグリーン車(10号車を除く)にしか付随車は存在しません。
狙って席を確保したい方のご参考までに…。

普段ではお目にかかれない、列車の隠れた部分や裏方作業の大変さを垣間見ることができるのは、工場の一般公開ならではの楽しみですね。
ちなみに、今年の浜松工場公開は7月23・24日。
恒例となっていた車体のつり上げ実演は、工場リニューアルの関係で、実際に目にできるのは今年が最後だそうです。
夏の盛りで天気によっては結構な体力を要しますが、興味のある方は1度出向いてみてはいかがでしょうか。

撮影データ:
2008年7月 JR東海 浜松工場
Canon EOS KissDigital X + EF-S18-55mm/F3.5-5.6 IS
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2016年07月04日

わずかな光の中で

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浜松工場の検修庫に佇む700系。
ヘッドライトが点灯しているところを見ると、ただ置いてあるだけではなく「展示」されていることが分かります。
外からの光があまり届かない検修庫内。
適正露出で撮ろうとすると、何かしらの要素が犠牲になります。ここはあえて超アンダーで。
すると、わずかに差す光に照らされて車体が鈍く光り、陰影によって独特な正面のボディーラインがより強調されました。
高速で走るために、空力などの課題について研究に研究を重ねた結果の産物。
そんな理系の要素がギッチリ詰まっている割に、この見事な曲線美はどうでしょう。
恐れながら、私はこれまで700系に対して「美しい」という感情を持ったことはありませんでしたが、撮り方によってはこうも印象が違うのかと感心させられる1枚になりました。

白い車体の新幹線。このように思い切った設定で撮影できるところが楽しいですね。
しかし屋外で景色と一緒に撮ろうとする場合、天候や陽の差し方などから「景色に露出を合わせると車体の白が飛ぶ!」といった悩みもちょいちょい出てくるようですが、そこを上手くカバーするのが撮影手腕の見せ所、なのでしょう。
それが私に備わっているかどうかは別として。|д゚)

さて、この700系。
JR東海とJR西日本が共同開発した車両で、速達性のあるダイヤを組むために足かせとなっていた0系や100系の置き換えを目的として、1999年にデビューしました。
ファンからは、その独特な前面形状から「カモノハシ」と呼ばれて親しまれています。
最高速度は東海道新幹線内で270km/h、山陽新幹線内では285km/hとなっており、先輩の500系が山陽新幹線内でたたき出す300km/hにはわずかに及ばないものの、それと比較して乗り心地や居住性が改善されています。
長い時間乗車する機会が多い新幹線。ちょっとした最高速度の差より、居心地の良い車内環境が重視されるのは理解できます。
鉄ヲタでありながら、不覚にも500系で乗り物酔いした私が言うのですから、多少は説得力が…。|д゚)

そんな700系ですが、新型車両のN700A系が幅を利かせるようになってから廃車が発生し、次第に数を減らしているようですね。
最終的に、2019年度末には東海道新幹線内からは全車両が引退することになっています。
デビューからちょうど20年で姿を消すことになり、20世紀生まれの車両の終焉となる訳ですが、日々の高速運転や長距離運用による負荷を考えると、まぁ仕方のないことなのかな…と思います。
「20年もよく頑張ったね」とねぎらいの声をかけてやりたいほどです。

ちなみに全車両がN700A系に置き換わるとともに、東海道新幹線の最高速度は285km/hに引き上げられます。
これは700系にはなかった「車体傾斜装置」の恩恵によるものなのですが、今後のことを考えると、これ以上のスピードアップはもうないかも知れません。
開業まではまだまだ時間がありますが、リニア新幹線がすでに着工していますし。

過日、従来車両からのフルモデルチェンジとなる「N700S」の開発が発表されました。
最高速度よりも「省エネ」「安全性」「居住性の向上」に重きをおき、標準化を図っていくとか。
リニア開業後の東海道新幹線の役目を視野に入れていると思われますが、どのような車両になるのか興味をそそられますね。

撮影データ:
2008年7月 JR東海 浜松工場
Canon EOS KissDigital X + EF-S18-55mm/F3.5-5.6 IS
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2016年07月02日

黄色いお医者さん

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東海道・山陽新幹線で運用される「ドクターイエロー」という愛称でお馴染みの、検測用新幹線車両。
車体が黄色いことからこの愛称で呼ばれていますが、写真の車両の正式名称は「新幹線電気総合試験車923形0番台」の「T4」編成と言い、2000年に700系新幹線車両をベースに製造されました。
JR東海に所属するこの車両、東海道新幹線内において営業列車が700系以降の車両に統一されたことから、それらのダイヤに影響を与えないように270km/hでの運転が可能となっています。

そもそもこの列車、具体的にはどのような目的で走行しているのでしょうか?
大まかにまとめると「線路の状態を調べ良好な乗り心地を維持すること」「架線の状態を調べ安定した集電ができるようにすること」「ATC関連機器などの状態を調べ信号トラブルを未然に防止すること」。
検測で得られたこれらのデータを新幹線情報管理システムに送り、保線作業のために利用されます。

滅多に走行していないイメージがありますが、頻度は意外と多く10日に1回程度のペースで走っているとのこと。
しかし残念ながら運用の情報は一切公開されないこともあり、狙って撮影することは不可能に近く、そのレアさから「見かけると幸せになれる」「幸せの黄色い新幹線」と呼ぶ人もいるようですね。
「のぞみ」「ひかり」「こだま」それぞれのダイヤをなぞり、営業運転されている列車に混じって検測が行われているので、運がよければ遭遇できるでしょう。
単純には始発から終電まで10日程どこかで粘れば撮影できる理屈になりますが…そんな狙い方は普通に考えて到底無理ですね。|д゚)

この写真は8年前(もうそんなに前になりますか)に、東海道・山陽新幹線車両の保守点検を担うJR東海の浜松工場で撮影したもの。
毎年夏休み中の土日に「新幹線なるほど発見デー」と題して同工場が公開されていますので、興味のある方は詳細を検索してみるのもよろしいのではないかと。
新幹線車両のバリエーションとしては、初代700系とその進化形のN700(A)系がメインで、昔と比べて車種は少なくなりましたが、滅多に見られない新幹線の工場を見学できるチャンスですので、一見の価値はあると思いますよ。
東京近郊から出かけるには新幹線を利用しないとちょっと厳しいですが、「ぷらっとこだま」を利用するとお得になりますし、滅多に手の届かないグリーン車にもちょっとの差額で乗車できますので、個人的にはおススメなきっぷです。

同じ時期に開催される、JR東日本の新幹線工場「新幹線総合車両センター」の公開と両方に参加するつわものもおられるようですね。
時間・体力・資金など色々な面で余裕があれば不可能ではないので、新幹線好きを自負する方はチャレンジしてみるのもいいかも知れません。|д゚)

撮影データ:
2008年7月 JR東海 浜松工場
Canon EOS KissDigital X + EF-S18-55mm/F3.5-5.6 IS
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2015年06月30日

蒼、緑、白

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今日は海ミオ区キハ40系の高山本線運用最終日ということで、下原ダム湖を往くJR東海カラーのキハ48形を掲載します。
空の青、木々の緑、そして車体の白が混然一体となった風景も今日を限りに見納め。
平日ですが、沿線には最後の雄姿を撮影したり、お別れ乗車をするファンもきっと大勢いることでしょう。
こういう時の粋なファンサービスとして、ヘッドマークを掲出する列車もあるのでしょうか?
最終列車を見送る際に、夜間のバルブ撮影をするのも趣があっていいでしょうね。

今後、新天地(他線区や海外)で活躍を続ける車両もあれば、廃車解体されてしまう車両もあるでしょう。
運命はそれぞれですが、どれも国鉄時代から今日までの長い間、高山本線を支え続け、顔として活躍していたことには変わりありません。
ありがとう。お疲れさまでした。と声をかけてやりたいですね。

そして、これからの主役である新型車両の活躍にも期待したいものです。

撮影データ:
2014年6月 JR高山本線 飛騨金山〜焼石
Canon EOS 7D + EF24-105mm/F4L IS USM
posted by くろやっこ at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 鉄道画像(中部)<JR>

2015年06月29日

濃緑に映えるツートン

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さらさらと流れる飛騨川にかかる橋梁を渡っていく、ツートンの国鉄色をまとったキハ48形2連。
下呂行きの列車を後打ちしました。
辺りの木々は初夏の様相。緑の要素が強い景色の中、列車の塗色がよく映えます。
川の流れも水量がちょうどよく、天候にも関わらず意外にも澄んでいて、上品な様子を見せてくれました。

昨日掲載した写真では日が差すほどの天気でしたが、これを撮影した場所では小雨の降る状態。
どちらも同じ日に撮影したのですが、山の天気は変わりやすく、梅雨時であるということも重なって残念な結果になってしまいました。
しかもこのアングルでは、車体にかかる電線や橋梁上に設置された電柱が邪魔に感じられます。
それでもレアな存在であるツートンカラーの車両を撮影できただけで、満足しないといけませんね。

先のJR東海のダイヤ改正以降、高山本線には次々と新型車両が投入されて旧型車の活躍の場を狭めていましたが、いよいよ今月末(6月30日)をもって、美濃太田車両区所属のキハ40系が高山本線から完全撤退することになりました。
これにより、高山本線の列車はすべて新型車両に切り替わり、今まで当たり前に見られた旧型車は一掃されます。
いくつかの比較的状態の良い車両は別線区に所属替えになる一方、大半の車両はミャンマーへ譲渡されるとのこと。
写真のツートンカラーのキハ48形はちょうど検査切れの時期と重なるようなので、果たしてどうなるか…。

できればまだ余裕のあるうちに、もう一度訪問してみたいと思っていましたけど…この日に撮影した写真が、私にとっては撮り収めになってしまいました。
新型車にももちろん興味はありますが、高山本線といえばこの車両!という象徴的な存在がいなくなってしまうことには、一抹の寂しさを感じてしまいます。

撮影データ:
2014年6月 JR高山本線 白川口〜下油井
Canon EOS 7D + EF24-105mm/F4L IS USM
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2015年06月28日

神社を横切って

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下原八幡神社の境内を横切る、JR高山本線。
その参道には、まるでとってつけたような「八幡踏切」と名付けられた第4種(警報機も遮断機もない)踏切が1つ。
この手の踏切にはお約束の「とまれみよ」や「左右確認」といった注意を促す看板が存在するものの、いわゆる都市部にある大きな踏切と比べると、安全性が低いのは確か。
しかし、この方向からきちんと鳥居をくぐり参拝するには、この踏切を渡るほかは手段がありません。
普段は静かな佇まいの神社ですが、毎年行われている祭事には、大勢の参加者が集まるそうです。
いくら列車密度の低い路線とは言え、そんな時には踏切警手役の人を配置しないと危険かも知れません。果たして大丈夫なのでしょうか。
神様を祀っている神聖な神社の目の前ですから、ご加護のおかげで事故が少ない…といいのですが。

そんな中、木漏れ日を浴びながら、キハ48形の普通列車がそれなりのスピードで通過していきます。
シャッタースピードを下げて列車の「動」と、神社の「静」の対比を意識してみたのですが、いかがなものでしょうか。
高山本線の普通列車は、新車のキハ25形にほぼ置き換わったということですので、もしかすると今同じ写真を撮影することは難しくなってしまったかも知れませんね。
国鉄時代から長い間頑張っていた車両の引退は残念だとは思いますが、新車には新車の良さがあります。
例えば、その車両がどう写真映えするのかを考えると、逆に楽しみでもあります。

私が高山本線を訪れたのは、ちょうど1年前。
梅雨時でしたので天候が安定せず、思ったように撮影ができなかったことが心残り…でしたので、今度は晩夏から初秋にかけての時期に訪れたいな、と思っています。

撮影データ:
2014年6月 JR高山本線 焼石〜飛騨金山
Canon EOS 7D + EF24-105mm/F4L IS USM
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